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外国語の学び方 【フルブライト留学関連-3-】 [フルブライト留学関連]

外国語の学び方 【フルブライト留学関連-3-】
私の20歳から25歳までは英語の習得にほとんどの自由になる時間を費やし他のことができず残念に思う。これも当時では米国政府の全額支給留学生試験に合格するにはやむを得なかったろう。しかし、いまの時代ならもっと効率よくできると思う。外国語の学習をhearing speaking reading writing に分けると、その順序に学べるのが自然で最も効率良いのだろう。帰国子女などはその好例だ。でも、日本で育つ場合はそれも難しいが、いまならテレビでもその気になりさえすればある程度それに近い状況で学べよう。私の世代が英語を学んだ頃では、地方都市では英会話学校もなく、テープレコーダーなども存在しかったので、せいぜいFEN という駐留米軍向けのEvery hour on the hour つまり毎時間きっかりの10分のニュースを一日に何回か聞くのと、readingで語彙を増やし、簡単な分を文法的に間違いのなく英作文してそれを話す練習に時間を費やすしかなかった。
しかし、留学できて米国で生活することになって以降、以下に述べるような工夫をすることで初めて上に述べた自然な順序に近く学ぶことができ、それ以降は効率的だった。
その始まりは、留学して間もない頃、ピッツバーグに当時世界一であったUS Steel 社を訪ねた時だ。ホテル前から市街電車に乗るのに、電車がUS Steel 本社に行くのか確認したかった。即座に英作文をして、主語が電車だから述語は3人称単数としてなどと考え、運転手に少し堅苦しいとは思ったが"Does this street car go to the US Steel head office?"と訊いた。彼は一瞬戸惑った風だったが"yes"と答えた。即座の返事ではなかったので「いまいったので通じたと思うが普通はなんと訊くのか」と訊ねると"Do you go to the head office?"と語尾を上げていえば良いという。「なるほど運転手が行かねば電車は行かないわけだ」と変な感心をしていると、さらに"Go to head the head office?"で良いという。私の感心した顔を見て「"to the head office?"でも良いよ」といってニヤリと笑った。文法的にどうあろうと通じれば良いのだ。日本語だって八幡では「本事務所に行くの?」と訊くではないか。(その頃のピッツバーグでヘッドオフィスといえばUS Steel のことだった。)
それを機に,何かいって相手が少し怪訝な様子で応答する時は「このような場合には普通どう言うの?」と訊ね、ついでに幾つかの別の言い方も教えて貰った。そして重要なことはその場でこっそりモゴモゴと繰り返し発音し、なるべく早くそのような状況を作って直ぐ使ってみることだ。すると次からは自然にそれが出てくる。単語と同じで必要なときに直ぐ出てくるようなセンテンスの束を覚えておけば考える手間もないわけだ。この方法を覚えたらあとは雪だるま式に会話が楽になって来た。
別な実例としては、たまには映画でもと思って映画館で通路側に座った。すると若いカップルの先に来た男の方が"Excuse us"といって前を二人で通った。の世代では"Excuse me"という表現は習ったがusは初耳で「なるほど二人だと"us"で彼女の分までいっているんだ」と変な感心をした。これを使うチャンスは家内が来るまでは作れなかったのだが直ぐに覚えた。さらに、この類で困ったのは赤ん坊との会話だ。赤ん坊だけだと「イナイ、イナイ、バー」で通じたが、ママが来たのでこれも訊くと"peek-a-boo"というそうで、そう言っても通じて笑った。(何を隠そうこのスペルはいま初めて和英辞典で知ったのだが。) お悔やみなどは日本語でも難しい。英語でいう必要に迫られて友人に訊いたら、ムニャムニャいうのだよといった類のことでこれも日本語と同じだなと変なことで感心をした。
このようなことは、日本語だと子どもの時から自然にその場に適した言い回しを真似して(学ぶの語源は真似ると聞いたこともあるが)覚えていくのだから、大人が英語を学ぶのも、それが一番効率良いのだろう。その環境に身をおけない場合には私が体験した方法が次善の策だと思って学生達にはそのように伝えていた。

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