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生活の上で遭遇する単語 【イタリア関連のはなしー7-】 [イタリア関連のはなし]

生活の上で遭遇する単語 【イタリア関連のはなしー6-】
  イタリアでの生活に少し慣れ始めると、しばしば目に入る単語で「これは何だろう」と気になり始める。その場合、英単語の連想から旨く正しい意味にたどり着けることも多い。例を挙げれば切りがないが、"treno" は何となく "train" だろうとか、"stazione" は "station" から連想されると言った類だ。この方法も結構有効だ。イタリア語がほんの少しわかり始めるとそれの応用で解決する例もある。路上で良く"senso unico" という標識に出くわす。これなどは意味がわからぬと生命に関わりそうなので早速訊ねると、"senso" は英語の"sense" と同じ語源なのだろうと思えるし(後でイ語の辞書で調べると「方向」の意味もある)、"unico" はイ語の "uno" から来た言葉と思われるが「一つの」の意で,併せて類推すると「一方通行」なのだと納得できる。
しかし「生兵法は怪我のもと」の場合もある。水道周りでよく見かける "potabile" というのなどそれに類する。私の日常使った英語からの連想だとportable で持ち運べるしか思い浮かべられなかったがそれは幾らこじつけても無理だ。でも生命に関わりそうだから訊いてみると「飲用に適す」という意味だという。改めて英語の辞書を引くとそこにも発音は違うが同じ意味の英単語があるではないか。これには自分の英語力不足も思い知らされる結果となった。(そもそも英語やイタリア語を少し囓った程度の語学の素人がこのようなことを書くこと自体が「生兵法は-----」で間違いだらけかも知れないのだが。)
少しイタリア語を学び始めると、前にも述べたが、イタリアの単語がわからないときは
英語で余り日常は使わない高級な言葉を少しひねるとイタリア語になることに気が付き少し楽しくなる。例えば、ある日に仕事での議論の中で彼らは頻繁に "categoria" という単語を用いる。「哲学の時間に習ったカテゴリーを生産管理に用いるとはすごい」と思ったが、あとで日常会話の中で英語のclass と同じように使っているのがわかった。「はっきりしない」はobscureでなくambiguity を少し変えた "ambiguita" である,「信じる」は "believe" ではなくキリスト教の信条(credo)から連想し "credo" といえば「自分は~を信じる」となると言った具合である。
話題はそれるが、標識と言えば、韓国に行ったときは遠くから見ただけでは何を売っているのかがわからず困惑したが、台湾では戦前に習った略式でない難しい漢字と出合って懐かしく感じたし、中国でも簡略字を少し覚えるとわかって嬉しい思いをした。イタリアの街での店の看板も今となっては台湾、中国並みにわかって楽しい。
言葉とは面白いもので自転車と同じく、身体で覚えたものは忘れないらしい。語学は昔から好きだったので、一時期ドイツ語会話に興味を持ちある程度話せるくらいにはなっていたと思うが実際に使ったことはなかったので、ドイツで話そうとしたら思い出すのに時間がかかって使いものにならなかった。英語は比較的若い時に2年間留学し、それ以降も、何回もそして何年も海外で英語を使って仕事をしていたので、外国に行くとその夜から夢が英語になることはしばしば経験した。それに比して、40歳にして初めて学んだイタリア語はブロークンながら3年近く生活で実用していただけに、自転車と一緒で、いざとなればなんとか無意識にそれらしい言葉が出てくる。
1991年に研究のため、ドラッカー先生の大学院のあるカルフォルニアのクレアモントに半年ほど滞在していたときのことだ。行きつけとなった散髪屋の主人と話しているとしているとその友人が入って来るなり主人にイタリア語で話しかけた。それが面白かったのでクスッと笑ったら、主人が「イタリア語がわかるのか」という。彼はイタリア語で嘗て私が住んでいたターラントの隣町の出身だった。それ以降は毎回イタリア語で話しかけられるのには参ったが、昔に使ったイ語のさび落としには役立った。クリスマスの少し前に行ったとき、帰り際に彼から "Buon Natale"(クリスマスお目出とう)といわれた途端に、 全く無意識に私の口から 突如 "altrettanto a Lei" と出たのには我ながら驚いた。店を出ながら何故だろうとその言葉を繰り返すと、それはその時から20年近くも前のイタリアでの何回かのクリスマスの時期になると、朝夕会社で会う人ごとに何十回となく繰り返し交わしあっていた((the same to youの意)言葉で、身体で繰り返し覚えた言葉は自転車と同じく条件反射的に出ると言うことに気づいた。


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