SSブログ

イタリア語と名古屋弁など 【イタリア関連のはなしー6-】 [イタリア関連のはなし]

イタリア語と名古屋弁など 【イタリア関連のはなしー5-】
 十数名のコンサルタント団員も、数ヶ月すると段々とイタリアでの生活も慣れて来た。そして、イタリア語を聞いていると、何となく名古屋弁みたいに聞こえるという者が現れた。私もその頃にはイタリア語の3ヶ月のレッスンも済み、少し分かりかけていた。そう云われてみると、英語で"let us do…"つまり、「何々しよう」と言う一人称複数の動詞変化は、イタリア語では例えば動詞「行く(andare)」はandiamo,「食べる(mangiare)」はmangiamoと行った具合に…amoと変化する。これが「なーも」という名古屋弁(真偽のほどは知らないが"ナーモシ"がそうなったと聞いたことがある)に似ているというわけだ。 そこで、誰云うともなく、仕事が終わってホテルへ帰る頃になると、「帰ろうや」と言う代わりに「帰りやーも」と言うようになった。本人はイタリア語を喋っているようで感じで心地よい。それが伝染して、昼休みに入ると「仕事をそろそろ止めやーも」、「飯喰いに行きやーも」等々と大流行である。イタリア人が聞きつけて「"owariyamo"と言うイタリア語は聞いたことがないが何のことだろう」と聞いて来る始末とあいなった。ついには彼らも我々のチャンポン日・伊語の幾つかが共通に通用するようになって益々エスカレイトし、"ganbariyamo"など次々と珍動詞を発明しあってしばらくの間は我々一同のささやかな楽しみになった。ホテルでも食堂や受付でそんな日伊のどちらとも付かぬ珍語が氾濫し従業員も日本語が使えるぞとばかり話しかけるので時には我々が戸惑うこともあった。
そんな時期に、何日かの連休で(日本ほど多くはないが彼らも"ponte"(橋という意)と称して楽しんでいたが、我々も負けじと団員揃ってナポリに遊びに行くこととなった。ナポリでバスに乗るときも皆で「さあ乗りやーも」「そろそろ着きやーも」などとやっていた。同乗のイタリア人はきっと日本語はイタリア語のような部分もある訳の分からない言葉と思っていただろう。そろそろ降りようとしているときに、すぐ隣に立っていたイギリス人の新婚らしきカップルが英語で「彼らは日本人らしいが、さっきからイタリア語を上手に使っている。大したものだ」と囁いているではないか。途端に私は大きな声で、「さーみんなで降りやーも」と叫んで「降りやーも」「降りやーも」とばかりバスを降りて後、皆にことの顛末を教え、大笑いをしてそのおかしさを分け合って喜んだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。