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アラビア数字の由来と漢字のはなし【フルブライト留学関連-6-】 [フルブライト留学関連]

アラビア数字の由来と漢字のはなし【フルブライト留学関連-4-】

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  カンサス大学でのオリエンテーションで、世界各国からの留学生に英語で5分ほどのショートスピーチの練習をさせる授業があった。インストラクターから「自国のことで、何か聴衆の興味をひく話題を選び所定時間内に話してください」といわれた。
各国の学生からは興味深いスピーチが次々とあったが、そのなかでもモロッコのサブランカから来た幼顔にチョビ髭の留学生の話は、その最たるもので未だに忘れられない。それは「私の出身地Casablanca は16世紀半ばにポルトガルがその地に要塞を築いたとき、まわりの集落の家が白かったので、Casa(家)blanca(白)と呼ばれました。また、私が若いのに髭を生やしているのが奇異にみえるでしょうが、これはアラビアの男性が成人の証しに蓄える習慣によるのです」と始まり、本題に入って、黒板に上図のよう絵字を描き「ヨーロッパではこのように7に横棒を入れることが多いがそれは何故でしょう?」と皆に問いかけた。するとドイツからの留学生が「そのように書くのを良く見かけるが、多分1と7は紛らわしくその区別のためだと思う」と答えた。「そう思うでしょう。でも私の答えは違って、その由来にさかのぼります」と、 彼は上図を指しながら、皆に「この絵を見て何か気づくことがありますか」と再び問うた。皆で考えたが答えはでない。すると彼は「ヒントを出します。それぞれの絵字を構成している角の数を数えてください」と言った。数えると、あら不思議、1には一つ、2らしき絵には二つ----、7らしき絵には七つ、9らしきのには九、そして0には零だ!! 皆がびっくりした顔をした。「これで7に横棒を入れる人がいる理由が分かったでしょう」とのことに皆が納得した。
その後私が調べた範囲では、これに類した説明は見たことがなくその真偽のほどはわからない。しかし、後にイタリアに住むことになって、彼らの多くも7に横棒を入れるので、その理由を聞くと一瞬困った顔をして、やおらクラスでの最初の答えと同じ「1と紛らわしいからだろう」というのがほとんどだった。そこでこの「角の数」の説明をすると「なるほど、そんなことをよく知っているな」と私の株が少しくあがったものだ。
ついでに、私のスピーチは漢字の象形性で、「漢字は本来中国で象形文字・表音文字として(一つの漢字に特有の意味を持たせ一つの発音をさせる -つまり北京弁と上海弁では意味は一緒でも発音は異なる -)ずっと昔に中国で作られ、日本では1300年くらい昔に借用した。最初は表音文字として使用し、それから日本独特のカタカナとひらがな表音文字を作り、それ以降は主として象形文字すなわち絵のように意味だけを持たせ、その読み方は、同じ意味の日本古来の幾通りもの発音が可能とする日本独特の使い方をしてきた」と説明した。これはどの程度皆に理解されたか怪しいが、その後で「山」や「川」、「魚」「鳥」などその形に合うように漢字を形取ったとして連想を楽しんで貰った。最後に子どもの頃習った「亀」という字の本字「龜」を必死に思い出し、それを黒板に書いて「これは動物の名前だが何だろう」と訊ねようとしたが書き終わる前に 「"Turtle"だ、亀の甲羅に頭としっぽがあるからすぐ分かる」との答えが一斉にあがって皆が大喜びであった。


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