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スクーターの免許取得【くるま関連のはなし-1-】 [くるま関連のはなし]

スクーターの免許取得【くるま関連のはなし-1-】
留学期間は、人の車に乗せて貰いあちこちと移動した。2年目の夏休みにナイアガラを通りカナダのケベックまで千数百kmも行ったりもした。帰国後に車が欲しくなったが、車は1960年頃の年収の数倍以上はする高嶺の花で、中古スクーターなら何とかなりそうに思えた。それには、まずは免許が必要だ。自動二輪の実技は自転車と同じことだと多寡をくくっていきなり試験場へ行ってみた。十人くらいの受験者を前に試験官から、コースと注意点の簡単な説明と80点以上が合格ラインだと知らされて、すぐに実技試験が始まった。私の順番は幸運にも最後だったので、受験者になったつもりで「ここは一時停止、ここでは右(左)腕を上げる(当時ウィンカーは珍しかったので)、ここではスピードを出す」などと、試験官の横の方で受験者に合わせて身振り手振り宜しく身体に覚え込ませた。その間、受験者の合否を自分なりにその基準で判断すると大方は的中した。そこで、「いま身体が覚えたとおりにやれば通ると」自己暗示をかけた。これは高校時代に器械体操部で大車輪など回る前などによく使って成功した手だ。
最後に私の番が回って来た。練習したとおりに身体が動いて試験場を一周し、「これで通った」と思いながら試験官の顔を見た。後で考えると、試験官は私が横で手振り身ぶり真似していたのを見ていて、余り快く思っていなかったも知れない。試験官は私の顔を見て「直前の練習の甲斐あり動作はほぼ規則通りには行けたが、スピードは自転車並みので残念ながら今回は駄目だね」といった。そしてやおら、採点表に「ここでマイナス2点・・・」と、いちいち説明しながら減点箇所を記述し終え「最後にスピードで10点減点と」と書き込んで、「サァー、総合点数は」と意地悪っぽく減点を全部足しながら、「ほらね、合計点が合格点にならず落第だろう、残念でした…??。ン?変だな、全部減点すると78点で落第の筈だが」という。点数を見ると80点だ。試験官は再度にわたり減点を繰り返したが、結果はどうしても80点となる。「変だナー、・・・。アッ、ここでの減点を見逃していた」と急ぎ書き加えようとした。それを見て、私は「それはないでしょう、一度記入が終わった公文書の改ざんですか?」と異議を唱えた。試験官は私の顔を見つめながら「記入を終えたいまにそう言われればそうだな。でも言っておくが君の運転はどう見ても自転車のスピードで原付き二輪車のではなかったぞ。計算ミスでこういう点数になってしまったが」とまだ残念そうな風情である。私は「シメタ」とばかり「分かりました。市中で運転するときにはいまよりウンとスピードを出します」と答えた。試験官の「通すことにはなるが、かといってスピードは出し過ぎないように」と慌てて言ったのを聞きながら、「ハイ分かりました」と答え無事なんとか一回で免許証が手に入った。
次は手中古のスクーターを見つけることである。幸い知人から紹介され、「ローマの休日」のような素敵なスタイルには感動したが乗ると力が出ない。でも値段からしてそんなものかと買うことにした。さて、次の日曜日、教会帰りに家内を後ろに乗せて若松へ出かけた。まだ若戸大橋が架かっていず、黒崎を回っての結構な距離だった。何とか行けたが、坂道を上ると、エンジンの焼ける臭いがして慌てて降りて押し何とか丘の上までたどり着いた。半年もしないうちに気息奄々のエンジンに愛想が尽き、買値の数分一の安値で友人に引き取って貰い高価な経験となった。



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