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Due Dateのはなし 【フルブライト留学関連-11-】 [フルブライト留学関連]

Due Dateのはなし 【フルブライト留学関連-11-】  
これまでとは少々趣を変えて、今回は私の言葉に関する失敗談を紹介しよう。私が米国政府の留学生として、ケイス工大大学院に入学早々の話である。留学最初の講義は月曜日の「超音速流体力学」であった。英会話はまだ不自由な状態だったが、超音速機の翼や機体設計の基礎の学問で英語が不自由でも数学で何とかなるだろう思った科目だ。教授は基礎例題を幾つも解いた後、講義の理解に必須の数学課題のプリントを渡し全部解いて提出するように言われた(と思った)。難解な沢山の数式で、機械科卒業後3年間の企業勤務中は留学受験英語のみで数学とは疎遠だった私が解くには、40~50時間は要すると直感した。これは大変と周りを見渡すが皆は平然としている。彼等だって大変なはずと一瞬いぶかったが、確認するのもおっくうで(これが大失敗)次の月曜日までの一週間で解くしかないと観念した。月曜日の夕方から多数の難問を解き始めた。学期第一週なのに、他の3科目の講義も皆2時間は要しそうな課題が出た。次の日曜日は初対面の教会のボンドさんが迎えに来て礼拝後家に来るように電話を貰っていたので(それくらいは聞き取れた)、数学の課題は遅くも土曜の夜までに済ます必要がある。そのために、他科目の課題は次週の講義前にやることにして、月曜日から土曜日までに毎日何題まで解くべきかの日課表を作成した。それからの毎日は、日課を終えるのに翌朝2~3時までかかったが予定通りには進まず、金曜日は一日中、土曜日も過ぎて翌日曜日の午前4時頃までほとんど寝ずに頑張り通し、やっと解き終わった。「万歳!」。頭が朦朧とし朝8時にボンドさんが来るまで一寸ベッドまどろむつもりが熟睡してしまった。「キンコン」チャイムがどこかでしつこく何回も鳴っている-------「あっそうだ教会だ!」。寝ぼけ眼でパジャマのままドアへすっ飛ぶ。これで、後々まで「Yoshiとの初対面はパジャマ姿だった」と笑われることとなる。
教会での礼拝後は夜遅くまで家族で歓待してくれた。課題のことはすっかり忘れられたが、わからない英語が眠りこけながらなのでますますトンチンカンだった。翌月曜日、授業開始と同時に教授の席に課題を出しに行ったが、クラスの皆は誰も出さず変な顔をしている。授業の後で何人かが「課題を全部解いて提出したのか」と訊ねるので「そうだ、で君は」と言ったら「あれは3週間後の月曜日がdue dateなので今からだよ。一週間で全部できたとは驚きだな」と言う。それで分かったのだが、due dateという単語が分からなかったばかりに一週間死ぬ思いの苦闘を続けたわけだ。以後、この失敗を肝に銘じ、課題が出ると最初にdue dateを確かめることにしたことはいうまでもない。また、わからないことはすぐに聞くことを鉄則にした。若い頃の数多い失敗談の一つである。


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