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2017,09,05 アメリカ第一主義考【この頃思うこと-73-】 [この頃思うこと]

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2017,09,05 アメリカ第一主義考【この頃思うこと-73-】

 この言葉は、鉄鋼・石炭などで栄えたRUST (錆付いた)地帯 を昔の繁栄に戻すと言うトランプ氏の大統領選挙公約の人気とりアピール実現に基いている。

 米国では鉄鋼業が20世紀初頭からの寡占体制で労働者が労働貴族と自賛するほど格段の繁栄で1960頃をピークに粗鋼年産1.2億トン前後で推移、留学中59年の108日に及ぶ大規模ストで労働側の圧勝、その間の生産不足分補給に日本など海外鉄鋼の大量輸入で鉄鋼ユーザーがその良質安価を発見、米鉄鋼業界はその間も体質改善なしで65年頃まで安逸をむさぼる。70年頃気付いたときは既に遅く、突如米国鉄鋼各社はRUST地帯(シカゴから東の北米)製鐵所を廃止し雇用の労働貴族を退職金・新職場紹介もなく一方的に解雇し失業の荒波に放り出す。の時40歳だった白人がいま80歳代で懐旧の念に駆られている。

また、キング牧師の働きで人種差別論議が盛んとなり68年に牧師が暗殺されノーベル賞受賞で世論が盛り上がり、68年成立の公民権法によりある日突如に公然だった白人優先が禁句となり法的には人種差別がなくなったが、これもその頃40歳だった白人はいま80歳代でその受けた教育・環境から心情的には納得のいかない白人も結構いると思われる。それ以前の留学で実体験した60年頃、人種は「白人(最優秀)・黄色人(準白人)・黒人(知的低)」3種類の旧学説が公然で、ホテル・レストランの予約で再々RaceCaucasian Mongolian Negroの一つを選ばされた。いまにして思えば同じ部屋に黒人を入れないためだったと推測される。そう言えば米国の教会は勿論大学でもほとんど白人と準白人のみで黒人は専用のそれらがあったのには心底驚いたがすぐにそれにも慣れた。

 日本は終戦と進駐軍の占領政策で一挙に価値観が逆転、民主主義、人権尊重、平等が欧米の文化と多くの日本人が教育されて誤解していたので、留学で米国の公然人種差別に驚いた次第だ。また鉄鋼業は戦後からの米国流管理手法を懸命に学びそれを基に独自の設備と管理技術を開発し72年までに米国と同規模の粗鋼年産1.3億トンまで20倍近く急成長を遂げた。その間は労働者の給与ベースと情報技術先導は他産業に比し際立っていた。70年に入っての米国鉄鋼業の突然の閉鎖を反面教師とする日本独自の対処と努力で、地域特性も配慮し設備規模と要員の順次縮小に着手、余剰となった労働者は関連会社への(給与差額援助付き)配転、特定地域では高炉の停止など昔日王者の面影こそないが加えて6社の3社体制への合併で、何とか高品質と低コストと順当な利益をいまも堅持している。RUST地帯の再興はこれに負けぬ品質コストが必要となるがそれが可能か?

 この様に日米の当時の社会状況と鉄鋼会の踏んだ対処の違い、それに該当時期に教え込まれた白人主義のRust地帯で古き良き時代を過ごしその後貧困にあえいだ高齢の白人達にとってトランプの公約に飛びつくのは心情的に分かる気がするし、同時に頼朝の前で静御前が「しずやしず しずのおだまき 繰り返し 昔を今になすよしもがな」と舞った故事にまつまでもなく歴史上の昔に戻すことの難しさに目覚める日もそう遠くない様に思える。

 


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