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健康寿命とホメオスタシス【この頃思うこと-59-】 [この頃思うこと]

健康寿命とホメオスタシス【この頃思うこと-59-】
 昨年11月に半月ほど入院する羽目になった。退院して驚いたことに足・腹部の筋肉・脂肪がげっそりと落ちたことだ。一瞬「加齢のせい?」と感じたがすぐに思い出した似た状況は、中学2年の時左鎖骨を斜骨折し整骨院の指導による自宅治癒で1か月ほど寝ていた後のことだった。足が棒のように細くなり歩くのに数日を要し、さらに全く固定化して動かさなかった左腕を曲げ指先と肩がつくまで毎日強制的なリハビリに1ケ月ほどを要したことだった。
 入院前まで毎日5000歩近く歩いていたので歩行回復はすぐにできたが、ヨガに加え少しずつ日課にしていた腰まわりや腹筋・背筋などの入院前の状態回復までは自信がなかった。しかし「その人の身体成長期に鍛えた筋肉は加齢しても使えばその60%は戻る」との説を読み、40歳から60歳代までに数回試みて実証済みだったので、80歳になって久しくご無沙汰していたぶら下がり器で、三浦雄一郎氏の例も思いながら。また懸垂を試みた。最初は身体が全く持ち上がらなかったが1週間ほど毎日続けたら1回、半月ほどでそれが4回までになり、平行棒の静的な胸筋・腹筋・背筋運動も退院前には何とかできるほどになっていた。そこで、加齢のしかも病後でいまさら無理かとは思ったが退院後に毎日少しずつ実行し続けたら2週間以上を要して入院前の状態までは戻ったのには我ながら驚いていた。同時に、72歳で学生に混じり半日のスキーレッスンを受けたがその時初めて使った感覚の腿の筋肉は半年たった後も痛かったのも思い出し、今回の成長期に鍛えた筋肉での感覚とは全くの違うとも思った。手の指の付け根はいまでも鉄棒の時のタコの痕跡があり刺激すると盛り上がる。頭のなかでは風化している65年も昔のことを身体の各部分はまだ確実に覚えそれに備えているようだ。
 平均寿命に加え最近は健康寿命(健康上で日常生活の制限なしで生活できる期間)が話題となっている。友人からの情報でWHOの2016年の資料で日本の平均健康寿命が74.9歳、平均寿命が83.7で共に先進7か国では1位でありその差8.8歳でも最短であると知った。平均寿命を超えてまで健康寿命でいられることに有り難みを痛感する。
 自動制御工学の究極の手本は人体のホメオスタシス(生体恒常性―体温・血圧・血糖値などー)であり旧くは新約聖書(コリント12章12節)にもあるとおり身体は多くの部分からなり、それらは。病原体への免疫力も含め各部分には独自の治癒・現状維持力が自立的に働いている。生きている限り、加齢しても若い時に比し遅くまた程度の差はあろうが、治癒・維持力は充分に残っているようだ。不調を訴えると「年齢相応で」と医者に言われることが多い。今回も歳が歳だからと入院以前までの体調復帰は諦めかけていたが、身体の各部はまだ自立的復元力が残っているはずだと実行し、それが一応は実証できた。身体は効率良くできていて使用しない部分は無駄として再生しないが、加齢するとそれが顕著にはなるものの現存しているのは間違いない。
 確かに85歳も近くなると加齢は加速度的に進んでいるようだし、いつまで続くかは分からぬが、無意識で働いている各部分での免疫力・現状維努力に報いるためにも身体が許す間は意識して昔鍛えた体力の何分の一かの維持には努めようと思っている。その気力が健康寿命を保つには重要なのかも知れない。
 

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