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2017-06-29 カエサル ルビコン以降を読んで【この頃思うこと-67-】 [この頃思うこと]

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 当ブログは30年ほど昔に1時間半の講義の中間に眠気覚ましとして始めた会社時代の時空を超えたはなしに始まる駄文だが300編ほど溜まった。このブログをScroll down して左側の任意のマイカテゴリーをクリックするとそれ毎にも読める

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カエサル ルビコン以降 を読んで【この頃思うこと-66-】

   ルビコン以前の読書感を書いたら、同じ友人から「カエサルの政治家としての真価はルビコン以降により強い」とその上・中・下の3巻が送ってきた。これも決心して数日を要したが面白く読み通した。まさに友人の言の通り、類い希なる軍人の他に政治家としてのカエサルの面目躍如たるものを再認識した。

 当時のローマは元老院と市民集から選ばれる3人の執政官らによる共和制で、拡張したローマの版図にその機能が十分に果たせず、カエサルが道を開いて修身独裁官に選ばれ、志半ばで暗殺されるまでが上・中巻である。下巻はその後、遺言で指名したオクタヴィアヌスがそれを継ぐという粗筋は周知の通りである。多分に著者の塩野七生の見解にもよろうが、それ以来2000年の各国の多くの政治家と比して、カイサルの並外れた軍人としての能力に加え、政治家としての国を思い、経済的に私欲がなく(公的な支出をまかなうための膨大なる借金はしたが)、正確な情報の迅速な収集とそれに基づく明確な指示、周到な事前準備と迅速な行動力、失敗を次に活か仕方、彼に逆らった人々への寛容さ、等々は余人には見られないほど際立っていると思う。その寛大さにより凶刃に倒されるのだが。

 いまの政治を見ると、それが一国内の問題から世界的に拡大し利害が反して機能し難くなっている。それに加え、民主主義派と称する米国・EU・日本と独裁的に近い北朝鮮・中国・ロシアの政治体制・効率の違い、それにテロ国家、EUの分裂・米国の国内第一主義などより多難な状況に進みつつあり他山の石とは思えな。それにしても、前にも書いたが、当時と2000年を経た今の社会にでは違う点も多いが、それを構成している人間は、相変わらず私利私欲・競争心が強く寛容さに欠けている点は進歩どころか退歩しているいように思える。


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2017,06,25 ホメオスタシス再考【この頃思うこと-66-】 [この頃思うこと]

2017,06,25 ホメオスタシス再考【この頃思うこと-66-】

60年以上前に「機器設計では寿命想定が肝要で、寿命が来て部品だけ動いても仕方がない」と講義で教わった。家電寿命も20年くらいはあったがいまは半減し、部品の修理より新型機種へ換える方針のようだ。我が家の冷蔵庫・洗濯機・掃除器も10年で買い換えたが、その間の追加新機能と高性能化に驚いている。でも自分の身体ではそうは行かない。

201611月1日に急遽入院し医師の「膵臓癌の末期で年齢を考え手術はしないし抗がん剤も使いません」との言に、自分でも不思議なほど冷静に「分かりました」と答えていた。2年前の誕生日頃以来「折角授かった身体だから長生きは望むが死は必然」と思っていたからだろう。(http://inoueyoshisuke.blog.so-net.ne.jp/2015-05-02)

先が長くないと思い、例年恒例の大学同級会と、それに合わせ東京で予定の高校クラス会(20人弱)、新日鐵後輩との会(十数人)への6日と7日の出席希望を強く医師に述べたら「東京で入院を一晩外泊にして、肝臓からの応急の管を替える手術は帰院後にする」と許可され家内同伴で上京し16日には無事退院できた。退院後は体力減退を感じたが家での日課を徐々に始め1週間ほどで体力はある程度戻った。そう分かると、念願はそれまで半年間準備してきた、翌2017116日の鉄鋼協会での1時間半の講演会を無事済ますことだった。するとまた欲が出て、同月26日の八幡での職場関連と佐世保での旧制中学での会合にも出たくなり、医者の同意と緊急時紹介状持参でその双方と旧友の墓参りに小値賀島までも行けた。以降12月には君津製鐵所の会も出席し、正月を迎え念願の16日の講演会も何とか役は果たせた(もう一人の講演者はその朝急遽入院され亡くなられた由)。それ以降は、家での日課の繰り返しで85歳の誕生日も迎え、疲労感は感じるが家内に食事ほかの多大な負担を掛け申し訳なく感謝しながら何とか毎日が過ごせている。

その間の所感は私のブログと、とくにホメオスタシスの本文は(*)にあり、ここでは、その本文関連部分を要約すると、人の身体は全く巧妙に自主性のある部分からなり、私の場合は膵臓部分だけはその障害で食事のエネルギー化低下を来しているが、それ以外の部分例えば「懸垂3回」「平行棒的な胸筋10回」など、体重減のせいか楽にでき「歩行の筋肉」もまだ4000歩分は充分にある。これらは毎日少し実行すれば持続するが2日もしないと退化する。つまり、患部以外は正常で自分で病気だと思い込んでサボらない限りその機能が現状程度の維持は可能と自身で実験できた。
(*)詳細は 
http://inoueyoshisuke.blog.so-net.ne.jp/2017-03-20クリック【-59-】)

80歳で始めたヨガを自分なりにアレンジして朝晩20分ほど行うと血行が良くなり自己免疫性が向上する結果だろうが、ここまで進行しているのだから患部の完治は無理だろう。食事での摂取カロリーが減り、患部以外の他部分も自然に弱るかも知れないが、それまでは自然治癒力があるとして平静な毎日を過ごすつもりだ(病気は気の病として)。しかし毎月1回に痛み止めをもらいに行く担当の医師にはただ診るだけで治癒のしようもなく気持ちの上で負担だろうと申し訳なく思う。

 


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日本語変革の渦中?【言葉のはなし-11-】 [言葉のはなし]

 日本語変革の渦中?【ことばの話-11-】

 

 ことばには興味があるものの全くの素人で、以下は常識の範囲内での私見に過ぎないが、日本語はいま3回目の大変革中の渦中にあるように思えてならない。 

 1回目は6世紀頃の隋・唐からの漢字の習得時期で、漢字は本来表音・表意文字なのに、まずは万葉かなに見られる通りヤマトと言葉の発音記号として用いられ、それが日本独自の表音文字「ひらがな」や「カタカナ」に発展した。同時に漢字本来の中国での表意記号の使い方に、日本流の読み方の「漢音読み」や「呉音読み」と日本読み(例:正義・正月・正しい)が加わり、その時期に急速に日本語の語彙が増え表現方法が多様化したように思われる。 

 ⒉回目の変革は明治になっての言文一致だろう。それまでの候文的なものから話ことばで書くことになったのは大きな変革だったろう。それも口語体と文語体があるのだから面倒だ。これも過去100年強の間に起こった。 

 3回目の変革は、これこそ全くの私見だが、この50年ほどの期間だと思う。その間に日本語としての英語の仮名書き単語が急増した。会社の部課名には日本語のみだったのだがカタカナ名が出現したのは1960年以降で、いまでは会社名も英語のままも茶飯事だ。その正反対に異国の単語を一切拒否し必要ならばそれを自国の単語語彙で置き換える(例えば飛行機なら「空飛ぶからくり」の類)のは実際に訪問して聞きWEBでも確かめたアイスランドだ。彼の国のことばは中世から全く変化していないと言う。 

 また、新聞では文意伝達の効率性から敬語は文末の動詞のみとなり、それも省かれつつある。いまの新聞では「天皇陛下は東北地方に出かけた」となるが戦中までは「畏れ多くも今上天皇陛下におかせられては東北地方に行幸あらせられた」と書かれただろう。これだと確かに長さ辺りの情報量は半減する。50年でもう「おそれ多く」などは死語に近くなった。最近までは文章途中の敬語は省きそれでも文末は「されている」の類で終わっていたのだが、最近はそれも「した」になる場合がある。その意味ではTVのニュースの方がまだ忠実にそのルールだけは守っているようだがそれでも若干の違和感はある。 

 それほど極端ではないが、昨年入院したおりの看護師さん達の話しかけ方は大別して二種類と感じた。一つは努めて年長者への配慮として敬語らしく「気分はどうですか」と言う人、もう一つは他人行儀でなく親しみを込めようと「気分はどう?大丈夫?」と敢えて友人らしく言うタイプ(タイプも英語からの語彙!)だ。どちらも私の気持ちを案じての言葉で、後者は気取らずにと言った気持ちが滲む。私はどちらへも「有り難うございます」とお世話になっている人への敬語が自然に出てくる。日本語では男女・老若の差があり敬語に加えて卑下語があった。数十年前までは「父が行った」と言ったものだが、いまでは「お父さんが行かれました」とTVで観て異様に思う。 

 これらのことは日頃あまり気付かないが、それは自分がその渦中にあるからだろうか。

 

 

 


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