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英語での口頭試問【フルブライト留学関連-7-】 [フルブライト留学関連]

英語での口頭試問【フルブライト留学関連-5-】
先に同じ関連の-2-「英語の速読法」(11月4日掲載分)に何とか受験2回目で一次試験に合格したが二次試験の英語による20分強の口頭試問の難関が待ち受けていたと書いた。受験票の表が日本語、裏が英語で、受験の目的などを記入する欄は前年と一緒だった。前年の受験では、受験票に英語では工学士であるし当然ながら "Engineer"と書いた。日本語でもそう書けば良かったが馬鹿正直に私の社内での職分名の「技術員一級」と書いた。アメリカ人の試験官の一人が英語で「君はエンジニアと言っているが本当は "Technician" なのではないか」としつこく訊く。「いや、正真正銘のエンジニアだ」と何回か言い返していると「英語ではそう書いているが日本語では"技術員"すなわち英語の "Technician" と記述されている」という。漢字が読めるとは思わなかったが、それで彼の頑固に言い続ける理由がわかったので「それは社内制度上での言葉で、-----」と下手な英語で説明している間に時間切れとなった。その結果、補欠にはなれたが米国には行けず翌年はまた一次試験から受けなおす羽目になり、二回目の一次試験の対策として速読法をしたことは前に書いた通りだ。
前年の失敗で二次試験の要領はほぼわかったので、二年目の受験ではその対策を練った。勤務地の八幡市近辺では英会話の学校もなく、ヒアリングは米軍人向け一日8~10回のニュースを聴いて練習できたが、話す機会は皆無に近く発音と会話ともに自信がなかった。そこで、前年の経験から20分強の口頭試問の初めにまず面接員が切る口火を考えると「留学の目的は」、「留学して帰国後は学んだことをどう活かすか」、「大学で行きたいところがあるか、それは何故か」、「いまどんな仕事をしているか」等々とおよそ想像できるし、少し違ってもそれらに話題が誘導できると考え、それぞれの場合に対する簡単な答え、それに "Because ------" から始まるつなぎを英作文し、すらすらと言えるように練習した。続いて、面接員が細切れに訊きたいと思うであろう内容のすべてを含みそれを20分の間一気に話すことで、①面接員の矢継ぎ早な質問を封じ、英会話力が端的にわかる対話形式が避けられる、②短時間に自分の思いの全部が述べられる、③事前に充分準備できる、と戦略を立てた。その内容は下記のようなことだった。「私はこれからの社会では "automation" が重要になると確信する。しかし残念ながら日本の大学ではまだその講義はない。私が調べた限りでも米国ではMITをはじめ著名な工科大学や主要大学の工学部では学部はもちろん大学院では関連の講義が幾つもある。理論ではなく実用面の研究内容ではどこが私の今後の活動に有効かを調べた結果、産業プロセスでの自動制御の分野で著書があり多くの論文もあるProf. Donald Eckman が在籍されるCleveland Ohio にあるCase Institute of Technology 大学院に是非行きたい。また、帰国後もいま自動制御エンジニアとして勤務している会八幡製鐵に戻って学んだことを役立てたい。Cleveland はPittsburgh に次いで鉄の街として有名でJones and Laughlin など製鉄所があり是非そのような工場も訪ねたい----------。」これを英語で20分間、途絶えることなく一気に言えるように必死に暗唱し準備した。
二次試験は福岡の米国領事館で、米国人3人と日本人が面接員だった。昨年にやり合ったその一人が予想通り英語で「どこで何を学ぼうとしているか」と訊いてきた。そこで待っていましたと "I want to study Automatic Control at the Graduate School of Case Institute of Technology in Cleveland Ohio ------------" と上記の暗記していた文章をはなし始めた。途中で何度か質問の気配を感じたが、その隙も与えずBroken な発音ながら一方的に終わりまでしゃべりまくった。終わり頃は面接員たちも私の作戦を見破ったかのように笑みを浮かべながら聞いていた。でも終わりまで中断させることなく「君の希望は良くわかった」と言ってくれた。私も意図が見透かされたかと、はにかみながら "thank you for your patience ---"と言って試験会場を後にした。結果は、多くの幸運に恵まれて、思い立って準備を始めてから4年目にして米国政府からの全額支給の留学試験に何とか合格することができた。


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