SSブログ

「自炊」実行の感想 【この頃思うこと-16ー】  [この頃思うこと]

「自炊」実行の感想 【この頃思うこと-16ー】 
 「自炊」と言うと、パソコンに興味を有する一部の人は別として、多くの人は「何をいまさら」と思うだろう。しかし、この「自炊」とは「かさばる書籍や雑誌をスキャナーを用い自分専用の電子書籍を作る」行為の俗語のことだ。当初は、個人用途だけの文字通り自炊だったが、変換の受託業者が現れ著作権問題と絡み話題となった。その技術への興味と必要性から、その手間と費用は気になっていた。
 と言うのも、7年前になるが、退職で研究室の書籍や資料の一部は自宅へ持ち帰ったが、その大部分は涙ながらに処分した。さらに、3年前の転居で住居面積が半減し、再度の処分で書籍200冊ほどと資料ミカン箱四つに減じたが依然かさばる。「自炊」記事を読み、手持ちプリンター兼用スキャナーで、まず250頁の拙著から始めてみた。スキャナー上に本を開き2頁分乗せてはボタンを押し10秒ほどで読み込む。次に本を取り上げ改頁をしては乗せてまた読み込む。その繰り返しは単調でしかも予想以上の時間と労力を要し10頁ほどで諦めた。「自炊」業者もネット上で見つけたが、資料の整理が大変で依頼しなかった。
 折も折、娘の友人が「自炊」で満足していると聞きその体験を訊くと、裁断器で本をばらす手間以外には、専用スキャナーでの作業は半自動で思ったより遙かに簡単で短時間に済み、極めて満足しているとのことだった。価格もそこそこで、その場ですぐ同じ裁断機と専用スキャナーをネットで注文し入手した。
 早速、拙著から着手し、心情では忍びがたかったが、ハードカバーを外し背の糊付け部分を最小限残して厚さ1.5センチほどとなった紙束を裁断器に掛けると、一回で簡単に両面印刷の125枚の紙にばらされた。次にパソコンの横に置いた小型の専用スキャナー挿入部分に、一回許容枚数以内のその30枚強を乗せてボタンを押すと、自動的に次々と読み込む。その度に該当頁がパソコン画面に写し出され読み取りが終了すると継続か終了かと訊ねる。継続ボタンを押し、同じように読み込みを4回繰り返し終了ボタンを押すと250頁すべてがPDF画像として指定のファイル指定名称で記憶され作業が完了する。図面などは作業が生じるがOCRで簡単に文字変換もできる。先に述べた兼用スキャナーでの単調な作業の経験後ではなおさら、その簡便さに「眼から鱗」の感じで驚いた。
 この簡単な操作で、書籍の実体は消えるが内容はパソコンでカラーも含めそっくり画面に再現され、印刷や見出し付けも簡単で整理が容易となる。書籍をばらす勇気と短い時間があれば、著作権上で私用限定だが、手持ちの書籍をデジタル化し本箱分のスペースは広くなる理屈だ。いまの所はその勇気もなく、また本として読みたい習慣から、当面は自著一冊の変換に留めることにした。
 使い勝手とその威力がわかり、本来目的の資料の整理とスペース確保に取りかかった。ミカン箱にある昔懐かしいB4版の青焼きコピーの自筆資料で性能を試した。皺を伸ばし重ねて置き本と同じく高速でデジタイズされる。青焼き用の薄い原紙やA3版までの資料はキャリアシートに挟んでこれは1枚ずつ、しかし本と同じ高速度でPDFファイルに記録された。昔の標準サイズB4版の原稿もA4版に自動縮刷されるのも便利だ。その他、論集別冊の論文も切断機で1枚ずつにばらし、さばいてスキャナーに乗せボタンを押すと30頁くらいは見る間に読み終わり記録される。まだ始めたばかりで分類をしながら徐々に進めているが、ミカン箱4箱分をコピーするには当分は多忙となりそうだ。
 大型電子計算機(と当時は称したが)日本に初めて導入された1961年の2年前から米国で始めたコンピュータとの付き合いは、以来その利用システム関連の仕事につながったが、この数年のコンピュータ利用技術の進歩には全く眼を見張らされる。興味津々と楽しみではあるが、それに何とかついて行こうと苦労するこの頃である。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。