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ラウンドアバウト(Roundabout)【この頃思うこと-19-】 [この頃思うこと]

ラウンドアバウト(Roundabout)【この頃思うこと-19-】
 まり聞かない言葉だが、イギリスでは前から普及していて飯田市が実験的な採用を始めると話題になった円形交差のことだ。初めて出会ったのは20年ほど前のscotlandでだったが、ここでは、6年前にEngland西部とWalesを3週間ドライブしたときの体験で述べる。
 「イギリスでは」と簡単に書いたが、それは厳密に言えばUnited kingdaomつまりEngland, Scotland, WalesとNorth Ireland全体を指す。「日本列島に住む人は皆日本人だ」と単純に思っている私たちには理解しがたいが、それより狭い同じ島とか隣接した島内に住んでいても「王様は一緒だが国と国民意識は違う」ということのようだ。それに最初に気付いたのは学生時代の英会話で、講師に"Are you English?"と訊ねると"No, I am Scotish"とすごい剣幕の答えが戻った。驚いて理由を聞き、ある程度は納得したがいつか自分の目で確かめたいと思っていた。1992年にEnglandとScotlandをドライブした時にそれが実体験できた。その時はWalesにも行きたかったが時間切れとなり、それを2006年に3週間かけて実現した。
 前回と同じく、London到着当日と出発前夜のみはホテルを予約し、後はおよその場所と日程を決めるだけで、気の向くまま次に泊まるB&Bを見つけて1~数泊しながらの旅だった。前回の人口密度が低い地方と違い、今回はEngland西部を抜けWalesへと交通量の多い地方を通る心配があったが、既に日本では充分普及済みのカーナビで解決すると思い出かけたのだが、それが大失敗だった。到着当日ホテルから電話したレンタカー会社が「カーナビ付きの車は一台もない」との言に耳を疑り、数社に訊いたが同じだった。仕方なく詳しい地図の本を買い、翌日の宿泊予定地近傍まで、主な道路の交差点を目印に走行ルートを1枚の紙に見やすく作り対処した。その作業でわかったのは、なだらかなEngland西部の丘陵地帯を通る一見して昔の馬車道だったような道が、隣接する小さなTown間を縦横に結ぶ網の目のように広がっていることだった。Londonを出るまでの都市部分での交差点は信号だったが田園地帯に入るとRoundaboutが出て来る。
 Townの中心での四つ辻がそれだ。その中心の径20メートルほどのロータリーに沿って車が時計回りに廻る仕組みだ。廻っている車に優先権があるので、そこに入るにはその少し手前から車速を調整しながら、頃合いを見計らって車間にスット割り込む。入り込みさえすれば何回周っても良く、タイミングが合えば半周で目的の方向へ左折して車列から飛び出して行く。信号待ちがないので車を停めることなく確かにスムーズに進める。でも、今回は思わぬ困難にも直面した。信号道なら単に直進すれば良いが、そこに何台かの車が廻っていると出るタイミングを失し、何回か廻っている間に方向の感覚がなくなる。道路番号の下に「○○方面」と地名も書いてあるが、地理に疎い者にはチンプンカンだ。エイとばかり同じ道路番号で出て10分ほど走り、「アレ、どうも見たような景色だナ」と同じ道を逆行していたりるし、以降は方向にも注意した。このような珍道中もあったが、確かに信号待ちのイライラはなく、土地に余裕があり、交通量が過多でなければ良い仕組みだと思う。しかし、日本ではその条件を充たす箇所は多くないのではあるまいか。
 それにもまして、日本では普及済みのカーナビが、Londonではそれ付きの車がレンタカー会社に一台もなかったことは驚きだった(空港であったそうだが)。加えてもっと信じがたかったのは、2006年時点のレンタカー会社に当日はオートマ車が一台もなく、すべてがハンドシフト車だったことだ。シフト車にこだわった私でさえ時代には抗しきれず1995年にはオートマ車に換えていたのに、だ。London郊外に出る頃までは信号待ちの度ごとにエンストを起こし、やっとその操作に慣れた頃でRoundaboutに遭遇したので、停車の必要なさの有りがた味が倍加以上に感じられた。これもハンドシフト愛好の理由の一つかと疑いたくなるが、どうやらそれは、John Bull と言われるイギリス?(British)人魂の、「良く言えば不屈の精神、言い換えれば頑固さ」か、あるいは日本人の「過度な新しものがりや」によるものか?。私にはその双方とも当てはまるように思える。


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server7sasaki

英国のナショナルトラスト運動に大変、興味を抱きましたのが、随分、遅く
なり、学生の後半になるのですが、車に限らず、Britishイギリス?人の文化の層の厚みを日本の人は、どのように捉えるのかについて、関心がずっとありました。最後の文章の、筆者は、「日本人の過度の新しいものがりやによるもののか?」「良く言えば不屈の精神、言い換えれば頑固さ」のどちらも当てはまるように思えるの結びは、筆者が、旅行を通じて、論じてこられ、Britishの文化の良い面と、どちらかといえばoldな面を見られたからだと思われるのですが。イギリスのナショナルトラスト運動の場合、歴史的建造物は、ほぼ元どうり復元されるということを聞きました。
日本だったら、かけるのなら、新しい建築物を建てるでしょう。そこがイギリス文化の層の違いなのではと。英国に行っていないので、申し訳ありません。
by server7sasaki (2013-04-08 14:04) 

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