SSブログ

漢字入力で思うこと【この頃思うこと-27-】 [この頃思うこと]

漢字入力で思うこと【この頃思うこと-27-】
  「私どもの記録に半角カタカナでプリントアウトされているお名前は、漢字でそう読むのですよね」と紙片を示し訊かれる。「そうです」と答えると「では確認させて戴きました。でもどうして漢字で書いてないのでしょうね」と不思議がる。これは随分以前に加入した生命保険のフォローで訪ねて来た若い二人の女性との対話の一場面だ。
 一瞬考えた後、すぐに「それはコンピュータのメモリーに制約があったからですよ」、「エエ?」と二人は怪訝(けげん)な表情になる。「30年以上前までローマ字表示だった名前がカナ表示になったときは嬉しかったものです」と言葉が出る。二人は益々「??」。
 「いまは64ビットアーキテクチャも使える時代だけれど、その頃使用されていた8ビットでのJIS8単位符号表が決定され、その使用で半角カナ文字が初めて記憶できるようになって銀行・電力やガス会社・生命保険などの領収書がそれまでのローマ字からカナ文字表記になり、それが16ビットになって初めていまのように漢字が使えるようになったのです」と私は簡潔に説明した。同時にそれは私が1990年代後半で編集した情報処理の教科書の要約になっていることにも気付いた。二人は少しは納得したようだったがその思いがけなく深い背景には驚いていた。
 そう言えば、パソコンもまだ出現しない1980年頃の君津製鐵所でのこと。漢字は大型コンピュータでのソフト面で記憶可能になったが、何千もの漢字の入力方法がなかった。IBMのエンジニアから「和文タイプ型の入力装置は複雑で使えないし簡単な英文キーボード改良での入力方法はないか研究中だ」と聞いたのを思いだした。それから数年も経ず、ハード面からの問題解決ではなくパソコンでも急速に大容量で安価に使え始めた記憶装置を使うソフト面から、英字・カナ・漢字変換で既存のキーボードで簡単に漢字入力できるようになり今日に到っている。それを知って、在日の中国の学者が「中国語でもそれをヒントに考えているが四声をどう解決するかが難しい」と言っていたことも思い出される。それがいまはどう解決されたのか調べてみたい。
 1985年頃会社でワープロ使用が始まり、キーボード入力の練習に率先して狩り出された部課長が「面倒臭い、手書きの方が遙かに効率的だ」とぼやいていたが、20年も前に英語で書くために英文タイプを習っていた私は、それが日本語入力で日常的に役立つとはと思わずほくそ笑んでいた。
  歴史は繰り返すと言うが、子供の頃「電信柱が初めて立ったとき怖がって誰も近寄らンジャッタバイ」と言った祖母の話を思いだし、ついに自分もその祖母と同じ立場になったのかと可笑しくなると同時に技術革新の複雑さと速さに驚いている。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。